『小さな世界の物語』 文庫製作会議室
[記事リスト] [新着記事] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

タイトル 17(19)話・変更 その1
投稿日: 2006/11/07(Tue) 14:28
投稿者tula

p.23
 今日から行くのはさすがに余裕がないから、と、明朝出発することに決まった。
 ラクリマは昨晩のうちに仕上げてあったシャツをGに贈った。女性のシャツには、薄べに色に染めた生地を使ってあった。Gはことのほか喜び、すぐに身に着けた。

p.24
 コーラリックが自分もこれから彼らの仲間として経験を積むつもりであると言うと、トーラファンは大仰に喜んでみせ、思わせぶりな台詞を口にした。
「それはよかった!! 君もきっと得がたい経験ができると思うよ。魔術師として、将来、大いに役立つだろう」
 と、出しぬけにGがトーラファンに向かって口を開いた。

p.27
 Gはどう言い直すか迷った。刹那、夢で感じ取った激しい感情が蘇った。ロッツの激しく哀しい想い││死にたい。死んでしまいたい。裏切りたくない。裏切らなければならない。知られたくない。決して知られてはならない、あのひとに……あのひと││自分を認めてくれ、初めて信頼してくれた大切な││ヴァイオラに対する、苦く、深い思慕の情……。
 そんなふうに頭の中でぐるぐる考えていると、ラクリマが部屋から出てきた。お待たせしましたと断ってから彼女は、帰りに薬屋へ寄りたいと皆に頼んだ。もちろん異存はなかった。

p.29
トールに頼んで値切ってもらったが、佳品につき金貨四百枚近くも支払わなければならなかった。

p.57
 6月17日、研究所跡へ向けて出発した。夜、名前の縫い取りを終えて、ラクリマはヴァイオラにシャツを贈った。Gと同じ布地で作ってあった。
 その二日後の夕方、目的地に到着した。


- 関連一覧ツリー (▼ をクリックするとツリー全体を一括表示します)

- 返信フォーム (この記事に返信する場合は下記フォームから投稿して下さい)
おなまえ
Eメール
タイトル
メッセージ   手動改行 強制改行 図表モード
参照先
暗証キー (英数字で8文字以内)
  プレビュー

- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 暗証キー