古代のアンデス文明およびマヤ文明を研究する同好会

Welcome to the Andes World!

●2014年度の定例講座

過去の定例講座
▼2013年度定例講座
▼2012年度定例講座
▼2011年度定例講座
▼2010年度定例講座
▼2009年度定例講座
▼2008年度定例講座
▼2007年度定例講座
▼2006年度定例講座
▼2005年度定例講座
▼2004年度定例講座
▼2003年度定例講座
▼2002年度定例講座
▼2001年度定例講座
▼2000年度定例講座
▼1999年度定例講座
▼1998年度定例講座
▼1997年度定例講座
▼1996年度定例講座
▼1995年度定例講座
▼1994年度定例講座


お問い合わせは:
andes@r5.dion.ne.jp

ギャラリー・トーク
東京・上野の国立科学博物館で開催中の「インカ文明展」、ギャラリー・トークが下記の要領で開催されました。


「インカ文明展」ギャラリー・トーク リポート
講師:徳江佐和子先生(明治学院大学講師)

2012年3月18日(日)
東京・上野の国立科学博物館にて



「インカ帝国展」は、日本における初めての総合的なインカ展示です。考古学(遺跡・遺物)、形質人類学(ミイラ・人骨)、歴史学(植民地時代の古文書・絵画)の三つの視点からインカをとらえています。

展示では、首都クスコなどに見られる典型的なインカ様式のものに加えて、様々な地方様式の工芸品を見ることができます。インカの地方支配の多様性を視覚的に感じられるとともに、インカを全体的かつ総合的にとらえるという意図が伝わるでしょう。

今回展示されているチムー=インカ様式の土器には、象形表現や型入れ成形技法など北海岸の特色を多く見ることができます。一方、精巧な織物や羽根飾りを身につけた小型女性人物像のように、インカの重要な儀礼の痕跡を示す展示品もあります。これは北海岸のトゥクメ遺跡で出土したもので、トゥクメでは、在地の建築や土器の製作・使用を認めながらも、最も重要な場面においてはインカ的な儀礼や物質文化を導入した可能性が考えられます。また、八芒星の図像を持つ精巧な織物が複数展示されています。アレキパ地域に見られるチュキバンバ様式の図像ですが、インカにとって重要な地であった可能性を示唆しています。

アンデス山脈東斜面チャチャポヤス地域で回収されたミイラの展示では、人類学を中心とした最新の研究成果を見ることができます。また植民地期の絵画・文献からは、スペイン人による征服後のインカ社会の変貌がうかがえます。このように多方面からの最新の研究成果が展示に反映されており、興味は尽きません。


← イベントTOPに戻る